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マイナス金利下に強い

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会計・ファイナンス

マイナス金利下における金利スワップの特例処理等の適用の可否

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マイナス金利下での会計処理まとめ

会計・ファイナンス

マイナス金利が影響を及ぼし得る会計処理

会計はビジネス状況を数値化するものですので、もちろんその影響が随所へ表れてきます。今回はマイナス金利を直接用いて計算しなければならなくなる可能性のある領域を大きく2つのパターンに分けて解説していきます。

①リスクフリーレートでの割引計算を含む処理

割引計算について
ここでいう割引計算とは、割引現在価値計算を指します。
将来のキャッシュフロー予測を現在の会計処理に認識する必要がある場合において、それらを対応する利率で割り引くことで時間価値を反映した会計処理を行うことが主たる目的です。
割引計算が必要な会計処理の代表例として、退職給付債務、資産除去債務、リース、減損、貸倒引当金などがあります。これらは マイナス金利下に強い マイナス金利下に強い 将来の損失 やキャッシュアウトフローを 現在の債務・損失として認識 するため割引現在価値計算が求められています。

上記の注書きでも割引計算が必要となる会計処理を例示しましたが、現状の日本の会計基準においてリスクフリーレートでの割引を求めているは以下の2つです。

. 退職給付債務の割引計算
. 資産除去債務の割引計算

【参考Ⅰ: 退職給付に関する会計基準の適用指針 より】
(退職給付債務の計算)
14項:予想退職時期ごとの退職給付見込み額のうち期末までに発生したと認められる額を、退職給付の支払い見込み日までの期間を反映した割引率を用いて割り引く。当該割り引いた金額を合計して、退職給付債務を計算する。

(割引率)
24項: 退職給付債務等の計算における割引率は、安全性の高い債権の利回りを基礎として決定する が、この安全性の高い債権の利回りには、 期末における国債 、政府機関債及び優良社債の利回りが含まれる、優良社債には、例えば、複数の格付け機関による直近の格付けがダブルA格付け相当以上を得ている社債等が含まれる。

【参考Ⅱ: 資産除去債務に関する会計基準 より】
(資産除去債務の計算)
6項;資産除去債務はそれが発生したときに、有形固定資産の除去に要する割引前の将来キャッシュ・フローを見積もり、割引後の金額(割引価値)で算定する。

(割引率)
6項(2);割引率は、 貨幣の時間価値を反映した無リスクの税引前の利率 とする。

割引計算でのポイント:
・リスクフリーレートの割引が求められていればマイナス金利での割引が出てくる可能性がある。
・日本の会計基準でリスクフリーレートでの割引が必要なのは「Ⅰ.退職給付債務」と「Ⅱ.資産除去債務」のみ。

②金利が直接仕訳影響を持つ処理(利息、金利スワップ)

簡単なイメージとしては、 銀行からの借入利率がマイナスになった場合どんな取引になりどんな処理が求められるか 、というものです。

さらに借入に付帯して金利スワップを契約している場合があり、 スワップによる利率がマイナスになった場合どんな取引になりどんな処理が求められるか 、という話もあわせてついてきました。

金利仕訳でのポイント: 仕訳の修正必要なし
・借入:たとえ変動金利がマイナスになっても、借手(=企業)が貸手(=銀行)から利息をもらうことはない。→会計処理も利払い0が下限。

マイナス金利を使うべきか修正すべきか

問題の所在

上記のように、 リスクフリーレートを2% として10年間の100ずつ受け取ることができる権利を 現在価値に直すと898.3となり、額面総額である1000よりも低くなります

上記のとおり、 マイナス金利(この例は-2%)で割り引くと、プラスになってしまいます

この計算結果は、現在1,119円持っていても将来1000円に目減りしていく、という仮定に基づいているとも考えられるため、本当に正しいのか多くの実務家を混乱させる結果となりました。

割引計算の結論

実務上の一応の結論となったのが、企業会計基準委員会(ASBJ)が公表した実務対応報告「 債券の利回りがマイナスとなる場合の退職給付債務等の計算における割引率に関する当面の取り扱い 」です。(一応現在は適用期間が終了しています)

【会計処理】
退職給付債務等の計算において、割引率の基礎とする安全性の高い債券の支払見込み期間における利回りが期末においてマイナスとなる場合、 利回りの下限としてゼロを利用する方法マイナスの利回りをそのまま利用する方法 のいずれかの方法による。

とされ、結果 利回りを0としてもマイナス金利をそのまま用いてもどちらでもOK 、という結論になっています。

これは年金計算数理人の計算結果に基づいています。年金の専門家らの計算理論は、「金利がマイナスということは 将来の価値が現在の価値よりも低くなると市場が評価 しており、金銭的時間価値は時の経過に応じて減少するものとして、 信用リスクフリーレートはマイナスになり得る」 と いう立場で計算された のでしょう。

ポイント:日本ではマイナス金利への実務対応として、0を下限とする方法とマイナス金利をそのまま使用する方法がいずれも認められた(経過措置)。
理論的にはいずれも根拠があり、ASBJからいずれの処理が適切という結論は出ていない。

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マイナス金利下におけるオプション評価について|企業価値評価・算定のプルータス・コンサルティング公式サイト

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レポート/メールマガジン

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1. リスクフリーレートとは

日本において、ストック・オプション(新株予約権)の評価の参考となる指標の1つであるストック・オプション会計基準およびストック・オプション会計基準の適用指針には、オプションの評価に考慮すべき6つの基礎数値が記載されており、そのうちの1つが、無リスクの利子率(割引率)です。無リスクの利子率は、他にもリスクフリーレート、非危険利子率、安全資産利子率等、数多くの呼び名があります。適用指針において、リスクフリーレート(以降リスクフリーレートに統一)とは、『オプションの期間に対応する期間の国債、政府機関債又は優良社債の利回りを用いる』とあります。この定義からすると、オプション評価に用いるリスクフリーレートは、中期国債や長期国債などのような日本の国債を参照すれば良いことになります(実際のストック・オプション評価の実務において、弊社でも長期国債等の日本国債の利回りを基礎数値として用いています)。
具体的な参照先としては、日本証券業協会が開示している「公社債市場・公社債店頭売買参考統計値」にて、リスクフリーレートの情報が得られます。
http://market.jsda.or.jp/html/saiken/kehai/downloadInput.php

2. マイナス金利とは

上述の日本証券業協会の売買参考統計値から国債の利回りを確認すると、例えば残存期間が5年物で『-0.173%』(長期国債317)、10年物で『-0.081%』(超長期国債90)(いずれも2016/8/22時点)というマイナスの数値が確認できます。
さらに、マイナス金利の影響は、ストック・オプション以外でも議論されており、退職給付債務の計算における割引率についても議論がなされています。こちらは、マイナス金利をそのまま適用するか、ゼロを下限とするかについて論点となっておりましたが、結論としては、「マイナスとなっている利回りをそのまま利用する方法とゼロを下限とする方法のいずれの方法を用いても、現時点では妨げられないものと考えられる」とされています。(平成28年3月9日:第331回企業会計基準委員会議事参照
https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/minutes/20160309/20160309_06.pdf)

3. マイナス金利を用いてオプション計算をして良いか

4. リスクフリーレートがオプション価値に与える影響

前述の通り、マイナス金利下においてもブラック・ショールズ式にマイナス金利を代入することは可能ですが、では、マイナス金利がオプション価値に及ぼす影響を調べてみましょう。
下のグラフは、横軸を金利、縦軸をオプション価値とした場合のグラフです。簡略化のため、ストック・オプション会計基準及び適用指針を参考に6つの基礎数値を仮定し、金利以外のパラメータは全て同一としています。
ちなみに、計算に用いた6つの基礎数値は以下の通りです。
①株価=100円
②行使価格=100円
③期間=10年
④配当率=0%
⑤ボラティリティ=50%
⑥リスクフリーレート→変動
ここで、日本における金利の変動幅は他の基礎数値の変動幅よりも小さく、
5年前の2011年8月22日時点の5年物で『0.331%』(長期国債282)、10年物で『1.025%』(超長期国債52)
10年前の2006年8月22日時点の5年物で『1.338%』(長期国債234)、10年物で『1.798%』(超長期国債33)
となっているため、10年間の時間の経過があったとしてもせいぜい2%程度の変動幅であることがわかります。そのため、金利の変化幅を0.2%刻みとしてオプションの価値を計算してみると、下のグラフのようになります。

金利の変動(-2.0%~2.0%)によってオプション価値は52.7円~61.3円の間で変動しました。この差額(8.57円)は原資産である株価に対しては8.57%(8.57円÷100円)となります。現時点でリスクフリーレートは低くとも-0.2%程度であるため、仮にリスクフリーレートを0%として計算した結果と比較してみると、
リスクフリーレート0%→57.1円
リスクフリーレート-0.2%→56.7円
となり、その差は0.4円、株価に対しての影響は0.4%程度となります。そのため、リスクフリーレートの見積もりについて、『マイナス金利は認めないから0%を使うべき』という前提を持ち出してきても、オプションの価値に与える影響は微々たるものであることが伺えます。

5. よくある勘違い「金利変動モデルであるブラック・モデル」

「ブラック・ショールズ式にマイナス金利なんて使えない。」という意見をクライアントや監査法人から最近良く聞くことがあります。似た名前のプライシングモデルに、ブラック・モデル(正確にはブラック・ダーマン・トイモデル)という金利変動モデルがあり、こちらは金利のオプションを評価する際に用いられているモデルであり、変動する金利が対数正規分布(0以下にはならない)であるという仮定に基づいています。
ブラック・モデルはブラック・ショールズ・モデルを提唱したフィッシャー・ブラック氏が、エマニュエル・ダーマン氏、ウィリアム・トイ氏とともに提唱したモデルであり、「ブラック」が共通しているため誤解が生じることがよくありますが、ブラック・モデル(ブラック・ダーマン・トイモデル)は金利の変動モデルであり、“金利が対数正規分布する”
という仮定であるのに対して、株式オプションのプライシングモデルであるブラック・ショールズ・モデルは、原資産である“株価が対数正規分布する”(金利は一定であり定数)という仮定であるため、似て非なるモデルであることがわかります。
ブラック・モデルでは、そもそも金利が0以下にはならない対数正規分布であるという仮定をしているため、マイナス金利には対応できないという意見は理解できますが、ブラック・ショールズ・モデルでは、金利は定数で一定であるというだけの定義であるため、マイナス金利であろうが計算に影響はありません。デリバティブの評価について詳しく解説されている書籍である『フィナンシャルエンジニアリング<第7版>』には、株式オプションの説明に用いる記号と定義の部分に、「r:満期までの運用に対する連続複利での無リスク金利。r>0と仮定してよい。」とあることから、r>0が絶対に正しい仮定というわけではないことがわかります。また、当該書籍には、「r>0という仮定を除いてその他の各要素(リスクフリーレート以外の5つの基礎数値)に対してなんら特別な仮定を必要としない。」という記載もあり、おそらく当該書籍が出版された頃は、マイナス金利という世界は想像していなかったので、r>0という仮定を特別に設けたものと考えられます。
これを実際に勘違いされた監査法人から、以下のような質問を受け取ったことがありますので、ご紹介しますと、
『ストック・オプション評価の件、確認しましたところ、一般論としてブラック・ショールズ・モデルは金利が「対数正規分布」に従うとの前提となっており、対数正規なので金利は0以上となることが前提であり、マイナス金利にはならないことが前提となっているとの理解です。マイナス金利下でも計算可能とのことであれば、その論拠と結論を評価書に記載いただく事は可能でしょうか。』
という質問を頂きました。弊社の回答としては、
『ブラック・ショールズ式を導く前提として、”金利は一定”としているのみですので、金利がプラスかマイナスかは関係ないものと理解しております。貴監査法人がおっしゃっているのは、「金利」変動をモデル化した時の話であり、株式のオプションは金利変動ではなく「株価」変動をモデル化しておりますので、内容が全く異なるものかと存じます。』
という回答となり、それ以降追加の質問は頂かなくなりました。

経済研究所の篠田先生にズバリ! きいてみた【マイナス金利でわたしたちに何が起きるの?】

マイナス金利とは…

「アベノミクス」開始から約3年、安倍内閣と日本銀行はデフレ経済を克服するために2%のインフレ達成目標を掲げてきました。アベノミクスによる金融政策は、株価上昇と円安進行で一定の成果をあげましたが、実際に消費の拡大や物価の上昇が起きたとは言えない状況が続いていました。こうした事態を鑑み、日本銀行は、銀行が日銀に預ける当座預金の一部に対し、初めて-0.1%のマイナス金利を適用することを決定。2016年2月に施行しました。

マイナス金利政策は、誰が何のために導入したの?

A.日本をデフレから脱出させたい日本政府と日本銀行が導入! 目指すは物価の上昇&消費の拡大を△(サンカク)→○(マル)へ

> 政府の公約できてる? ○株価上昇と円安進行 △物価の情報 △消費の拡大 △部分の効果がまだなので、よくしたいという思いからマイナス金利政策が導入されました(篠田) >> [マイナス金利とは…]民間銀行の預け入れに金利を課す!! >> プラスだった当座預金の金利がマイナスに!! (例:1億円預けた場合 金利-1%だとマイナス100万円に)" width="755" height="314" />
> 民間企業や自営業者への融資が増える" width="755" height="125" />

マイナス金利政策は、日本銀行が2%のインフレ目標達成のための特効薬として導入を決定しました。日銀にお金を預けると利子負担が発生してしまうので、銀行は企業に対して積極的に融資を行うようになり、経済活動が活性化するというわけです。
日本はデフレの最悪期こそ2000年代初頭に乗り越えているものの、「消費の拡大」「物価の上昇」という点についてはまだ合格点に達していないとの見方が強く、今回の政策導入が決まりました。デフレ阻止を目的としたマイナス金利は既に欧州で導入されていますが、日銀はマイナス金利の導入に消極的とみられていたことから、市場にとって大きなサプライズとなりました。

マイナス金利の導入が、日本銀行と民間銀行間のみとは知らなかった!
てっきり民間銀行と僕たち一般生活者間にも、マイナス金利が導入されるのだと早とちりしてたよ。定期預金から現金を出して、金庫を買わなくて良かった。

マイナス金利下で、わたしたちの生活に直接影響があるのは?

A.金利が下がるので、銀行からお金を借りる側にはメリットが♪

【市中金利が幅広く低下】 [銀行から借りると…] ローン金利低下(利息負担減少)で得!→消費・投資増? [銀行に預けると…] 預貯金金利低下(利息収入減少)で損! 預貯金以外で資産運用?

目指す「消費の拡大」も、家計の収入アップがあればこそ成長するものだと思うけど…、
今時点では、ご近所で給料が上がったって話しあんまり聞かないわね~。我が家も実感がないし(^^;) これから賃金UPも改善されるよう期待したいわね♪

「でも、マイナス金利は政策だからうまくいかないとすぐにやめちゃうかもな…」「うっかり何もせずにいたら損することがあるのかな? 何を考えたらいいの?」

まとめると…今考えなきゃいけないことは2つ。

【攻める!】寝かせておかないで、お金に働いてもらう

「資産運用」と聞くと、まとまったお金が必要だと思われる方も多いですが、実は毎月1,000円から始められることをご存知でしたか?

【守る!】住宅ローンがある場合は借り換えを検討しよう

住宅ローンが史上最低金利の今こそ家計をみなおそう!毎月の返済額がいくら節約できるか、まずは試算してみませんか?

「マイナス金利導入」の為替への影響 ~金融市場の動き(2月号) | ニッセイ基礎研究所

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日米2年国債利回りと金利差

まず、マイナス金利がドル円に与える影響を考えると、明らかに円安材料だと筆者は思う。それは、マイナス金利導入によって、本邦市場金利に低下余地が生まれたためだ。金利は通貨の価値に影響する。本邦金利はマイナス金利決定後にマイナス幅を有意に広げており、円を保有することの魅力減退に繋がっている。
ドル円相場で考えた場合でも、本邦金利の低下は日米金利差拡大に繋がるため、円安ドル高要因となる。実際、金融政策を反映しやすい2年国債利回りで見ると、マイナス金利決定以降、日米金利差がやや拡大している。

日経平均株価と銀行株化

それではなぜ円安が進まなかったのだろうか?まずはマイナス金利導入には弱みがあるためだ。一つは影響が読みにくい点だ。過去の緩和は量的緩和の急激な拡大という従来路線の延長であり、わかりやすかったうえに副作用への懸念も高まりにくかった。今回のマイナス金利導入は日銀としては新たな試みであるうえ、海外での事例も限られており、効果が不透明なうえに副作用への懸念も高まりやすい。
マイナス金利政策は簡単に言うと「金融機関(特に銀行)の収益を犠牲にして緩和効果を得る」ものであるため、懸念されている副作用も金融機関絡みのものが多い。具体的には、銀行による各種手数料引き上げ、貸出金利へのコスト分の上乗せ、金融機関のリスク許容度の低下による投融資の萎縮などだ。これらは現在起きているわけではなく、今回の枠組みは金融機関に過度の影響を与えない工夫もみられるが、完全には否定できないシナリオだ。もし、副作用が大きくなると、実体経済に悪影響が出るうえ世論や政治の反発が高まり、さらなるマイナス金利の拡大は難しくなる(打ち止め感が出てしまう)。

また、マイナス金利が銀行の株価押し下げに働くことも、円安の勢いを削ぐ要因になっている。リスク回避通貨である円は、株価が上がればリスク選好によって売られやすくなる傾向があるのだが、今回の決定後は、銀行株が大きく下落し、日本株上昇の重石となった。
さらに、マイナス金利が異次元緩和の円滑な運営自体に悪影響を与える可能性もある。これまでは銀行が日銀の国債買入れに応じた後、日銀当座預金に積んでおけば0.1%の金利収入を得ることが出来たが、これからは少なくとも0.0%、下手をすれば▲0.1%のマイナス金利が適用されてしまう 1 。収益悪化を危惧した銀行が日銀の買入れに応じなくなり、マネタリーベースの積み上げが順調に進まなくなるリスクがある。この場合は日銀の金融政策に対する信認が低下するだろう。


これらマイナス金利がもたらす副作用への懸念が高まっていることが、マイナス金利が円安材料として従来の緩和策ほど評価されない要因になっていると考えられる。
1 日銀がマクロ加算額を設定することによって0.0%と▲0.1%の金額が決まる

ドル円レートとVIX指数

マイナス金利が円安に繋がっていない理由はまだある。それは海外発の逆風があまりに強いことだ。
一つは世界的なリスク回避地合いだ。年初から中国不安や原油価格下落への警戒が強まり、市場が一気にリスク回避に傾いた。最近は中国不安、原油価格ともにやや落ち着きを見せているが、根本的な解決に至ったわけではないため、警戒感は続いている。米国株式市場の警戒感を示すVIX指数(別名、恐怖指数)は、平時であれば15以下なのだが、年明け以降はこれを大きく上回おり、現在も20を超えている。リスク回避局面では高金利通貨の金利が低下することで円の相対的な魅力が高まるため、円が買われやすくなる。また、リスク回避局面では、円キャリー取引(低金利の円を売り、高金利通貨を買うことで利鞘を稼ぐもの)の解消に伴う円買いが入ることも円高圧力になる。

米雇用者数増減とISM景況指数 FF金利先物とFOMC参加者の政策金利見通し

米国の利上げとドル円の関係

今後のドル円為替相場を考えるうえで重要になるのは、「一体どういう条件が揃ったら円安ドル高になるのか?」という点だ。筆者が考える条件は、「日米金融政策の方向性の違いが意識されて日米金利差が拡大すること」、さらに「市場がリスク回避地合いにならないこと」だ。両者が揃ってはじめて円安ドル高基調に乗る。
現在のところ、中国経済の減速や原油安が世界的な危機に発展する可能性は低いと見られ、いずれリスク回避地合いは後退すると見ている。金融政策に関しても、米国はそれなりに堅調な景気のもとで時期を計って段階的な利上げを実施していく一方で、日銀は年内に再び追加緩和に踏み切らざるを得ないと思われるため、日米金融政策の違いも次第に鮮明化するはずだ。そうなることで条件が揃い、円安ドル高の流れが復活すると見ている。

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