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リスク管理の取組み

リスク管理の取組み

アップデート!非財務情報開示の今 第8回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2022年1月~3月の動向)

「週刊経営財務」(税務研究会発行)3552号(2022年4月18日)に「アップデート!非財務情報開示の今 第8回 非財務情報の開示を巡る.

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  • アップデート!非財務情報開示の今 第8回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2022年1月~3月の動向)

ハイライト

※WEB上の機能制限により レイアウトや箇条書きの表示など 原稿とは異なる場合があります。ご了承ください。

I.はじめに

  • 金融審議会/Disclosure Working Group(以下「DWG」という。)における審議
  • リスク管理の取組み
  • 経済産業省/非財務情報の開示指針研究会における討議
  • 欧州財務報告諮問グループ(以下「EFRAG」という。)によるサステナビリティ報告基準の作業文書の公表
  • 自然関連財務情報開示タスクフォース(以下「TNFD」という。)によるフレームワークベータ版(v0.1)の公表
  • 米国証券取引委員会(以下「SEC」という。)による気候変動情報開示規則案の公表
  • 国際サステナビリティ基準審議会(以下「ISSB審議会」という。)によるIFRS®サステナビリティ開示基準の公開草案の公表

II.金融審議会/DWGにおける審議

  • 「サステナビリティ情報」について、以下の取組みを並行して進めていくことについてどう考えるか リスク管理の取組み
    • 有価証券報告書にサステナビリティ項目に関する「記載欄」を設け、当初の開示項目として、「ガバナンス」と「リスク管理」は全ての企業が開示し、「戦略」と「指標と目標」は各企業が重要性を判断して開示する。
    • 任意開示等において、気候変動関連の開示の質と量の充実を促す。
    • サステナビリティ基準委員会(以下「SSBJ」という。)において、ISSB審議会等への意見発信を進めつつ、日本における実務面も踏まえた検討を進める。
    • SSBJの検討結果を踏まえ、DWGで改めてサステナビリティ開示の個別項目の取り扱いを議論するとともに、SSBJの役割の明確化に向けた検討を進める。
    • 中長期的な課題として、サステナビリティ開示における保証の在り方に関する検討を進める。
    • 中長期的な企業価値向上における人材戦略の重要性を踏まえた「人材育成方針」(多様性の確保を含む。)や「社内環境整備方針」の開示を求める。
    • 上記の「方針」と整合的で測定可能な指標の設定、その目標及び進捗状況の開示を求める。
    • 企業の多様性確保に係る指標として、中長期的な企業価値判断に必要な項目の開示を求めるとしたうえで、企業負担等の観点から、他の法律の定義・枠組みに従って開示する。

    III.リスク管理の取組み 経済産業省/非財務情報の開示指針研究会における討議

    2021年6月から、経済産業省に設置された非財務情報の開示指針研究会(以下「非財務研究会」という。)で、非財務情報の開示指針の方向性について認識の共有を行いつつ、非財務情報の利用者との質の高い対話につながる開示、及び開示媒体の在り方について検討がされている。2022年2、3月はISSB審議会のTechnical Readiness Working Group(以下「TRWG」という。)が公表したサステナビリティ関連財務情報開示の全般的な要求事項のプロトタイプ、及び気候関連開示プロトタイプに関する議論が行われた。

    IV.EFRAGによるサステナビリティ報告基準の作業文書の公表

    EUでは、2023年または2024年度からサステナビリティ情報の開示要求を大幅に拡充する方向で、指令の策定(Corporate Sustainability Reporting Directive:CSRD)に向けた検討が進められている。CSRD案では、新たに策定されるサステナビリティに係る報告基準に準拠して情報を作成することとされているが、この報告基準に係る作業文書が、EFRAGから2022年1月より続々と公表されている。

    図表1:欧州サステナビリティ報告基準の一覧(2022年1月時点)

    1. 一般的な要求事項
    2. 戦略及びビジネスモデル
    3. サステナビリティに関するガバナンスと組織
    4. サステナビリティに関する重要なインパクト、リスクと機会
    5. 方針、目標、行動計画及びリソースに関する定義
    1. 自社の従業員
    2. 自社の労働環境
    3. 自社の機会の平等
    4. 自社の労働関連の権利
    5. リスク管理の取組み リスク管理の取組み
    6. バリューチェーン上の従業員
    7. 影響を受けるコミュニティ
    8. 消費者、最終利用者
    1. ガバナンス、リスク管理、内部統制
    2. 製品・サービス、取引先との関係の管理・質
    3. 責任ある事業慣行
    1. セクター分類
      ※開示すべきセクター別情報は、ESRS SEC2からESRS SEC41において決定される(ESRS SEC1 1項より)。

    (出所:PTF-ESRS Batch 1 working papers-Cover リスク管理の取組み note and next stepsより筆者作成)

    V.TNFDによるフレームワークベータ版(v0.1)の公表

    1.TNFDとは

    まず、本ガイダンスの公表主体である自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:TNFD)について説明する。TNFDは、世界の金融の流れを自然にとってマイナスの結果からプラスの結果へとシフトさせるようサポートすることを究極の目的として、自然資本及び生物多様性に関するリスクや機会を適切に評価し、開示するための枠組みを提供することを目標とした国際的な組織である。TCFDに続く枠組みとして、2019年に世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で着想され、2021年に立ち上げられている。日本では、環境省がTNFDの議論をサポートするステークホルダーの集合体であるTNFDフォーラムに参加している。

    2.TNFD自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワーク

    (3)自然関連リスクと機会を評価するためのLEAP(Locate、 Evaluate、 Assess、 Prepare:発見、診断、評価、準備)プロセス

    (出所:TNFD自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワーク ベータ版v0.リスク管理の取組み リスク管理の取組み 1リリース エグゼクティブサマリー(日本語)P4より抜粋、一部追記)

    (1)自然を理解するための基本(となる知識)
    ここでは、自然、依存関係と影響、及び自然関連リスクと機会に関するTNFDの定義を示している。TNFDでは、自然を4つの領域(陸、海、淡水、大気)で構成されると定義し、環境資産(森林、湿地、サンゴ礁、農地など)を地球に自然に存在する生物と非生物の構成要素と定義している。また組織がビジネスプロセスを機能させるうえで依存している生態系サービス(清潔で定期的な水の供給など)を依存関係と定義している。組織は、環境資産や生態系サービスに対してプラスにもマイナスにもなる影響を与えるが、これにより将来の自然関連リスクと機会を生み出す可能性があるとしている。

    (2)TNFDによる情報開示の提言(草稿版)
    情報開示に関するTNFDの提言は、TCFDが既に提案した内容に基づいている。すなわち、図表2のように、情報開示に関するTCFDの4つの柱であるガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標に沿ったものとなっている。なお、指標と目標の温室効果ガスの開示については現在検討中であり、次版以降のベータ版に含められることが予定されている。

    図表2:情報開示に関するTNFDの提言(草稿版)

    (出所:TNFD自然関連リスクと機会管理・豊穣開示フレームワーク ベータ版v0.1リリース エグゼクティブサマリー(日本語)P6より抜粋)

    (3)自然関連リスクと機会を評価するためのLEAPプロセス
    TNFDの提言には、LEAP(Locate、 Evaluate、 Assess、 Prepare:発見、診断、評価、準備)と呼ばれる自然関連リスクと機会に関する統合評価プロセスが含まれている。LEAPアプローチは、次の4つの中核的な分析アクティビティのフェーズから構成されている。

    (出所:TNFD自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワーク ベータ版v0.1リリース エグゼクティブサマリー(日本語)P7より抜粋)

    VI.SECによる気候変動情報開示規則案の公表

    一部の大企業 [2] には、Scope1、2の温室効果ガス排出量について、当初、限定的保証業務を受けるほか、数年経過後に合理的保証業務を受けることが提案されている。現行の温室効果ガス排出量に対する保証業務は限定的保証業務がほとんどであるため、本規則案がそのまま最終化された場合には、開示を行う企業及び保証業務を提供する監査事務所等の双方への影響が大きいものと考えられる。

    VII.ISSB審議会によるIFRSサステナビリティ開示基準の公開草案の公表

    ISSB審議会は、3月31日に、公開草案「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的な要求事項(IFRS S1)」及び「気候関連開示(IFRS S2)」を公表した(以下「全般的な開示基準」及び「気候関連開示基準」という。)。本公開草案は、本稿3.でも触れた、TRWGによって作成されたサステナビリティ関連財務情報開示の全般的な要求事項のプロトタイプ及び気候関連開示プロトタイプをベースに、全般的な開示基準では定義の明確化、気候関連開示基準では移行計画及びカーボンオフセットに関する情報開示、シナリオ分析の要求事項などが追加されている [3] 。

    VIII.おわりに

    有限責任 あずさ監査法人
    アシスタントマネジャー 公認会計士
    渡部 瑞穂(わたなべ みずほ)

    関連リンク

    • アップデート!非財務情報開示の今 第1回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2021年6月までの動向)
    • アップデート!非財務情報開示の今 第2回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2021年7月までの動向)
    • アップデート!非財務情報開示の今 第3回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2021年8月までの動向)
    • アップデート!非財務情報開示の今 第4回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2021年9月までの動向)
    • アップデート!非財務情報開示の今 リスク管理の取組み 第5回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2021年10月までの動向)
    • アップデート!非財務情報開示の今 第6回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2021年11月までの動向)
    • アップデート!非財務情報開示の今 第7回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2021年12月までの動向)
    • オフィス検索 リスク管理の取組み kpmg.findOfficeLocations
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    • 金融審議会/Disclosure Working Group(以下「DWG」という。)における審議
    • 経済産業省/非財務情報の開示指針研究会における討議
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    • 国際サステナビリティ基準審議会(以下「ISSB審議会」という。)によるIFRS®サステナビリティ開示基準の公開草案の公表

    II.金融審議会/DWGにおける審議

    • 「サステナビリティ情報」について、以下の取組みを並行して進めていくことについてどう考えるか
      • 有価証券報告書にサステナビリティ項目に関する「記載欄」を設け、当初の開示項目として、「ガバナンス」と「リスク管理」は全ての企業が開示し、「戦略」と「指標と目標」は各企業が重要性を判断して開示する。
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      • 中長期的な課題として、サステナビリティ開示における保証の在り方に関する検討を進める。
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      • 企業の多様性確保に係る指標として、中長期的な企業価値判断に必要な項目の開示を求めるとしたうえで、企業負担等の観点から、他の法律の定義・枠組みに従って開示する。

      III.経済産業省/非財務情報の開示指針研究会における討議

      2021年6月から、経済産業省に設置された非財務情報の開示指針研究会(以下「非財務研究会」という。)で、非財務情報の開示指針の方向性について認識の共有を行いつつ、非財務情報の利用者との質の高い対話につながる開示、及び開示媒体の在り方について検討がされている。2022年2、3月はISSB審議会のTechnical Readiness Working Group(以下「TRWG」という。)が公表したサステナビリティ関連財務情報開示の全般的な要求事項のプロトタイプ、及び気候関連開示プロトタイプに関する議論が行われた。

      IV.EFRAGによるサステナビリティ報告基準の作業文書の公表

      EUでは、2023年または2024年度からサステナビリティ情報の開示要求を大幅に拡充する方向で、指令の策定(Corporate Sustainability Reporting Directive:CSRD)に向けた検討が進められている。CSRD案では、新たに策定されるサステナビリティに係る報告基準に準拠して情報を作成することとされているが、この報告基準に係る作業文書が、EFRAGから2022年1月より続々と公表されている。

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      1. 一般的な要求事項
      2. 戦略及びビジネスモデル
      3. サステナビリティに関するガバナンスと組織
      4. サステナビリティに関する重要なインパクト、リスクと機会
      5. 方針、目標、行動計画及びリソースに関する定義
      1. 自社の従業員
      2. 自社の労働環境
      3. 自社の機会の平等
      4. 自社の労働関連の権利
      5. バリューチェーン上の従業員
      6. 影響を受けるコミュニティ
      7. 消費者、最終利用者
      1. ガバナンス、リスク管理、内部統制
      2. 製品・サービス、取引先との関係の管理・質
      3. 責任ある事業慣行
      1. セクター分類
        ※開示すべきセクター別情報は、ESRS SEC2からESRS SEC41において決定される(ESRS SEC1 1項より)。

      (出所:PTF-ESRS Batch 1 working papers-Cover note and next stepsより筆者作成)

      V.TNFDによるフレームワークベータ版(v0.1)の公表

      1.TNFDとは

      まず、本ガイダンスの公表主体である自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:TNFD)について説明する。TNFDは、世界の金融の流れを自然にとってマイナスの結果からプラスの結果へとシフトさせるようサポートすることを究極の目的として、自然資本及び生物多様性に関するリスクや機会を適切に評価し、開示するための枠組みを提供することを目標とした国際的な組織である。TCFDに続く枠組みとして、2019年に世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で着想され、2021年に立ち上げられている。日本では、環境省がTNFDの議論をサポートするステークホルダーの集合体であるTNFDフォーラムに参加している。

      2.TNFD自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワーク

      (3)自然関連リスクと機会を評価するためのLEAP(Locate、 Evaluate、 Assess、 Prepare:発見、診断、評価、準備)プロセス

      (出所:TNFD自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワーク ベータ版v0.1リリース エグゼクティブサマリー(日本語)P4より抜粋、一部追記)

      (1)自然を理解するための基本(となる知識)
      ここでは、自然、依存関係と影響、及び自然関連リスクと機会に関するTNFDの定義を示している。TNFDでは、自然を4つの領域(陸、海、淡水、大気)で構成されると定義し、環境資産(森林、湿地、サンゴ礁、農地など)を地球に自然に存在する生物と非生物の構成要素と定義している。また組織がビジネスプロセスを機能させるうえで依存している生態系サービス(清潔で定期的な水の供給など)を依存関係と定義している。組織は、環境資産や生態系サービスに対してプラスにもマイナスにもなる影響を与えるが、これにより将来の自然関連リスクと機会を生み出す可能性があるとしている。

      (2)TNFDによる情報開示の提言(草稿版)
      情報開示に関するTNFDの提言は、TCFDが既に提案した内容に基づいている。すなわち、図表2のように、情報開示に関するTCFDの4つの柱であるガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標に沿ったものとなっている。なお、指標と目標の温室効果ガスの開示については現在検討中であり、次版以降のベータ版に含められることが予定されている。

      図表2:情報開示に関するTNFDの提言(草稿版)

      (出所:TNFD自然関連リスクと機会管理・豊穣開示フレームワーク ベータ版v0.1リリース エグゼクティブサマリー(日本語)P6より抜粋)

      (3)自然関連リスクと機会を評価するためのLEAPプロセス
      TNFDの提言には、LEAP(Locate、 Evaluate、 Assess、 Prepare:発見、診断、評価、準備)と呼ばれる自然関連リスクと機会に関する統合評価プロセスが含まれている。LEAPアプローチは、次の4つの中核的な分析アクティビティのフェーズから構成されている。

      (出所:TNFD自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワーク ベータ版v0.1リリース エグゼクティブサマリー(日本語)P7より抜粋)

      VI.SECによる気候変動情報開示規則案の公表

      一部の大企業 [2] には、Scope1、2の温室効果ガス排出量について、当初、限定的保証業務を受けるほか、数年経過後に合理的保証業務を受けることが提案されている。現行の温室効果ガス排出量に対する保証業務は限定的保証業務がほとんどであるため、本規則案がそのまま最終化された場合には、開示を行う企業及び保証業務を提供する監査事務所等の双方への影響が大きいものと考えられる。

      VII.ISSB審議会によるIFRSサステナビリティ開示基準の公開草案の公表

      ISSB審議会は、3月31日に、公開草案「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的な要求事項(IFRS S1)」及び「気候関連開示(IFRS S2)」を公表した(以下「全般的な開示基準」及び「気候関連開示基準」という。)。本公開草案は、本稿3.でも触れた、TRWGによって作成されたサステナビリティ関連財務情報開示の全般的な要求事項のプロトタイプ及び気候関連開示プロトタイプをベースに、全般的な開示基準では定義の明確化、気候関連開示基準では移行計画及びカーボンオフセットに関する情報開示、シナリオ分析の要求事項などが追加されている [3] 。

      VIII.おわりに

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        • 上記の「方針」と整合的で測定可能な指標の設定、その目標及び進捗状況の開示を求める。
        • 企業の多様性確保に係る指標として、中長期的な企業価値判断に必要な項目の開示を求めるとしたうえで、企業負担等の観点から、他の法律の定義・枠組みに従って開示する。

        III.経済産業省/非財務情報の開示指針研究会における討議

        2021年6月から、経済産業省に設置された非財務情報の開示指針研究会(以下「非財務研究会」という。)で、非財務情報の開示指針の方向性について認識の共有を行いつつ、非財務情報の利用者との質の高い対話につながる開示、及び開示媒体の在り方について検討がされている。2022年2、3月はISSB審議会のTechnical Readiness Working Group(以下「TRWG」という。)が公表したサステナビリティ関連財務情報開示の全般的な要求事項のプロトタイプ、及び気候関連開示プロトタイプに関する議論が行われた。

        IV.EFRAGによるサステナビリティ報告基準の作業文書の公表

        EUでは、2023年または2024年度からサステナビリティ情報の開示要求を大幅に拡充する方向で、指令の策定(Corporate Sustainability Reporting Directive:CSRD)に向けた検討が進められている。CSRD案では、新たに策定されるサステナビリティに係る報告基準に準拠して情報を作成することとされているが、この報告基準に係る作業文書が、EFRAGから2022年1月より続々と公表されている。

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        3. サステナビリティに関するガバナンスと組織
        4. サステナビリティに関する重要なインパクト、リスクと機会
        5. 方針、目標、行動計画及びリソースに関する定義
        1. 自社の従業員
        2. 自社の労働環境
        3. リスク管理の取組み
        4. 自社の機会の平等
        5. 自社の労働関連の権利
        6. バリューチェーン上の従業員
        7. 影響を受けるコミュニティ
        8. 消費者、最終利用者
        1. ガバナンス、リスク管理、内部統制
        2. 製品・サービス、取引先との関係の管理・質
        3. 責任ある事業慣行
        1. セクター分類
          ※開示すべきセクター別情報は、ESRS SEC2からESRS SEC41において決定される(ESRS SEC1 1項より)。

        (出所:PTF-ESRS Batch 1 working papers-Cover note and next stepsより筆者作成)

        V.TNFDによるフレームワークベータ版(v0.1)の公表

        1.TNFDとは

        まず、本ガイダンスの公表主体である自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:TNFD)について説明する。TNFDは、世界の金融の流れを自然にとってマイナスの結果からプラスの結果へとシフトさせるようサポートすることを究極の目的として、自然資本及び生物多様性に関するリスクや機会を適切に評価し、開示するための枠組みを提供することを目標とした国際的な組織である。TCFDに続く枠組みとして、2019年に世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で着想され、2021年に立ち上げられている。日本では、環境省がTNFDの議論をサポートするステークホルダーの集合体であるTNFDフォーラムに参加している。

        2.TNFD自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワーク

        (3)自然関連リスクと機会を評価するためのLEAP(Locate、 Evaluate、 Assess、 Prepare:発見、診断、評価、準備)プロセス リスク管理の取組み

        (出所:TNFD自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワーク ベータ版v0.1リリース エグゼクティブサマリー(日本語)P4より抜粋、一部追記)

        (1)自然を理解するための基本(となる知識)
        ここでは、自然、依存関係と影響、及び自然関連リスクと機会に関するTNFDの定義を示している。TNFDでは、自然を4つの領域(陸、海、淡水、大気)で構成されると定義し、環境資産(森林、湿地、サンゴ礁、農地など)を地球に自然に存在する生物と非生物の構成要素と定義している。また組織がビジネスプロセスを機能させるうえで依存している生態系サービス(清潔で定期的な水の供給など)を依存関係と定義している。組織は、環境資産や生態系サービスに対してプラスにもマイナスにもなる影響を与えるが、これにより将来の自然関連リスクと機会を生み出す可能性があるとしている。

        (2)TNFDによる情報開示の提言(草稿版)
        情報開示に関するTNFDの提言は、TCFDが既に提案した内容に基づいている。すなわち、図表2のように、情報開示に関するTCFDの4つの柱であるガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標に沿ったものとなっている。なお、指標と目標の温室効果ガスの開示については現在検討中であり、次版以降のベータ版に含められることが予定されている。

        図表2:情報開示に関するTNFDの提言(草稿版)

        (出所:TNFD自然関連リスクと機会管理・豊穣開示フレームワーク ベータ版v0.1リリース エグゼクティブサマリー(日本語)P6より抜粋)

        (3)自然関連リスクと機会を評価するためのLEAPプロセス
        TNFDの提言には、LEAP(Locate、 Evaluate、 Assess、 Prepare:発見、診断、評価、準備)と呼ばれる自然関連リスクと機会に関する統合評価プロセスが含まれている。LEAPアプローチは、次の4つの中核的な分析アクティビティのフェーズから構成されている。

        (出所:TNFD自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワーク ベータ版v0.1リリース エグゼクティブサマリー(日本語)P7より抜粋)

        VI.SECによる気候変動情報開示規則案の公表

        一部の大企業 [2] には、Scope1、2の温室効果ガス排出量について、当初、限定的保証業務を受けるほか、数年経過後に合理的保証業務を受けることが提案されている。現行の温室効果ガス排出量に対する保証業務は限定的保証業務がほとんどであるため、本規則案がそのまま最終化された場合には、開示を行う企業及び保証業務を提供する監査事務所等の双方への影響が大きいものと考えられる。

        VII.ISSB審議会によるIFRSサステナビリティ開示基準の公開草案の公表

        ISSB審議会は、3月31日に、公開草案「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的な要求事項(IFRS S1)」及び「気候関連開示(IFRS S2)」を公表した(以下「全般的な開示基準」及び「気候関連開示基準」という。)。本公開草案は、本稿3.でも触れた、TRWGによって作成されたサステナビリティ関連財務情報開示の全般的な要求事項のプロトタイプ及び気候関連開示プロトタイプをベースに、全般的な開示基準では定義の明確化、気候関連開示基準では移行計画及びカーボンオフセットに関する情報開示、シナリオ分析の要求事項などが追加されている [3] 。

        VIII.おわりに

        有限責任 あずさ監査法人
        アシスタントマネジャー 公認会計士
        渡部 瑞穂(わたなべ みずほ)

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        リスク管理の取組み

        FXやめとけと言われる5つの理由

        ①FX=ギャンブルと思われている
        ②大損する
        ③リスクがある
        ④47.6%がロスカットを経験しているから
        ⑤ゼロサムゲームだから

        ①FX=ギャンブルと思われている

        ひとつ目は FX=ギャンブルだと誤解 されていることです。

        金融商品取引法で認められた合法的な資産運用の手法であり、相場を分析して根拠をもって取引する投資です。

        FX=大損というイメージ を持つ人も多いです。

        投資には大金が必要で、少しのミスで大損すると思われているためです。

        1通貨単位から取引できる SBIFXトレード か MATSUI FX なら、約130円の超少額から始められます。

        ③リスクがある

        FXを含む全ての投資にはリスクが付きものです。

        【リスク管理の例】

        ・含み損が資金の2%に達したら損切りする
        ・1ヶ月で●万円の損が出たら翌月まで取引を休む
        ・余剰資金を超えた投資はしない

        ④47.6%がロスカットを経験しているから

        金融先物協会のデータによると、47.6%のトレーダーが1年間でロスカットを経験したことがあると回答しました。

        また、イギリスにあるFXのオンライン教室「Forex School Online」によるアンケート結果によると、 投資経験が浅いほど損失を出しやすい のがわかります。

        • 利益を出しているトレーダーの平均投資年数:5.4年
        • 損失を出しているトレーダーの平均投資年数:2.5年

        ⑤ゼロサムゲームだから

        ゼロサムゲームとは、ゼロ(=0)、サム(=sum、合計)、つまりFXから発生する利益と損失を全てのトレーダー(FX会社含む)で合計するとゼロになるという理論です。

        KPMGコンサルティングとトムソン・ロイター、「法務・コンプライアンスリスクサーベイ2022」を発表

        デジタルトランスフォメーションを中心とした組織・業務変革と、サステナビリティに関する法務・コンプライアンス機能の変化から分析

        KPMGコンサルティング株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 兼 CEO:宮原 リスク管理の取組み 正弘、以下、KPMGコンサルティング)とトムソン・ロイター株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ヨンソン・バン(Young Sun Bang)、以下、トムソン・ロイター)は、国内の上場企業および売上高400億円以上の未上場企業を対象に実施した、日本企業における法務・コンプライアンス機能に関する実態調査の結果をまとめたレポート「法務・コンプライアンスリスクサーベイ2022:持続可能な経営に向けた変革」を本日発表しました。


        テーマ1 「法務・コンプライアンス組織と課題」に関する主な調査結果

        69.0%の企業が、「法務・コンプライアンスを統括する最高法務責任者(CLO)・ゼネラルカウンセル(GC)・CCO(最高倫理・コンプライアンス責任者)などの肩書を持つ専任役員を設置していない」と回答
        経済産業省の報告書(※)において、日本企業におけるCLOまたはGC の設置が提言されるなか、日本企業においては新規事業の検討や審査、M&Aなど、事業上の重要な意思決定に法務・コンプライアンス部門が携わっておらず、法的な知見が十分に活用されていないことが伺えます。

        【法務・コンプライアンス担当役員の設置】

        76.9%の企業が、「法務・コンプライアンス部門の人材が不足している」と回答
        法務・コンプライアンス部門の組織規模が100名以上の企業を除き、ほとんどの企業の人材リソースが不足していることが明らかになりました。AIをはじめとしたデジタルテクノロジーの活用など、業務の自動化・効率化が求められます。さらに、回答企業の半数以上の53.8%が法務業務における課題として「人材の採用・育成」を、41.7%が「ナレッジマネジメント・情報共有の仕組みの整理」を挙げており、人材が不足しているなかで、採用や育成、組織内の知識や経験を蓄積・共有を重視していることが伺えます。

        【法務・コンプライアンス部門の人材リソースと業務課題】


        テーマ2 リスク管理の取組み リスク管理の取組み 「リーガルオペレーションの改善とリーガルテック」に関する主な調査結果

        64.0%の企業が、「リーガルテックについて導入済み、または導入を検討している」と回答
        日本企業においても、電子署名や電子契約、AIを用いた契約書レビューなど、法務業務の効率化・高度化を意図したリーガルテック(法務業務に関するITツール)の導入が進んでいます。また、リーガルテックの導入により期待する効果として、半数以上が「業務の効率化と業務品質の向上」と「ナレッジマネジメント(情報の管理と知見の共有など)」と回答する一方で、リーガルテック導入における課題として、約半数が「予算の確保」と「導入後の運用検討」を挙げており、費用対効果の明確化やツール選定に際しての適切な評価基準の設定など、幅広な人材の参画、巻き込みが求められます。

        【リーガルテックの導入状況と課題】

        電子署名・電子契約などの契約業務におけるリーガルテックの導入率は高い一方で、マターマネジメントやナレッジマネジメントへの導入率は低い
        多くの企業で電子署名・電子契約やリーガルリサーチ、契約書審査・管理といった調査や契約関連業務でのリーガルテックの導入または導入の検討が進むなか、57.8%の回答企業が「部門内の情報の蓄積・一元管理」に、48.3%が「部門内の情報や知見の可視化」に取り組んでいる一方で、それらを総合的に管理するマターマネジメントシステムの活用が進んでいないことが明らかになりました。法務・コンプライアンス部門には、マターマネジメントシステムなどによりデータベースの構築・有効活用を進め、組織の適正規模の再検討/適切なオペレーションの再設計が求められます。

        【法務機能・業務のナレッジマネジメント】

        テーマ3 「コンプライアンスリスク対応」に関する主な調査結果

        44.8%の企業が「ESG/SDGsに関する外部環境の変化を受けて新たな業務が加わった」と回答
        法務・コンプライアンス部門の業務として、ESG/SDGsに関する外部環境の変化を受け、半数以上が「特に加わった業務はない」と回答する一方で、44.8%が取引先からのESGアンケートへの対応やサステナビリティレポート作成への関与など、担当業務が増えたと回答しており、ステークホルダーとのコミュニケーションをサポートする役割を担う傾向などが見られます。

        【法務・コンプライアンス部門の業務の変化】


        44.5%の企業が、リスク情報の社内共有において「部門横断的な社内の連携不足」が課題と感じていると回答
        リスク情報の社内共有に関する課題として、部門横断的な社内の連携不足(44.5%)、各リスクの主管部門の不明確な役割分担(34.8%)が上位に挙げられ、組織構造的な課題を抱えている企業が多い傾向です。また、29.4%の企業がリスク情報の共有において「デジタルツールの活用不足」も課題として挙げており、リスク情報の効率的な共有をし難い状況が伺えます。

        【リスク情報の社内共有における課題】


        人権リスク管理における課題として、「従業員・現場の理解」「優先すべき課題の特定」「経営層の理解」が上位を占める
        2022年2月、EUにおいて企業に対する人権・環境に関するデューデリジェンスの実施などの義務化に向け リスク管理の取組み
        た「コーポレート・サステナビリティ・デューデリジェンス指令案」が公表されるといった、人権施策推進に向けたルール整備などが進められています。グローバル企業を中心に日本企業等にも影響があり、今後、人権施策への取組みを一層求められることが想定されます。本調査によれば、企業は、経営層・従業員の理解や優先すべき人権課題の特定に、特に課題意識を有する傾向が見受けられます。今後、企業は人権教育等を通じた経営層や従業員の理解を深めることはもちろんのこと、人権デューデリジェンスや苦情処理メカニズムの整備などを通じて、人権侵害に対する予防/発見/対処の観点から総合的な取組みが求められます。

        【人権リスク管理の課題】

        「法務・コンプライアンスリスクサーベイ2022」調査概要
        名称:企業の法務・コンプライアンスの取組みに関する調査
        対象:国内上場企業、および売上高400億円以上の未上場企業の法務・コンプライアンス部門
        調査期間:2021年11月2日~12月10日
        調査方法:郵送によるアンケート票の送付・回収、ウェブによるアンケートの回収
        有効回答数:422件

        KPMGコンサルティングについて
        KPMGコンサルティングは、KPMGインターナショナルのメンバーファームとして、ビジネストランスフォーメーション(事業変革)、テクノロジーフォーメーション、リスク&コンプライアンスの3分野から企業を支援するコンサルティングファームです。戦略策定、組織・人事マネジメント、IT、デジタルトランスフォーメーション、ガバナンス・リスク・コンプライアンスなどの専門知識と豊富な経験を持つコンサルタントが在籍し、金融、保険、製造、自動車、製薬・ヘルスケア、エネルギー、情報通信・メディア、サービス、パブリックセクターなどのインダストリーに対し、幅広いコンサルティングサービスを提供しています。

        トムソン・ロイターについて
        トムソン・ロイターはビジネス情報サービスのリーディング・プロバイダーです。法律、税務、会計、コンプライアンスの専門家向けに高度に専門化された情報対応ソフトウェアやツールを提供しています。トムソン・ロイターの専門家チームは情報、イノベーション、信頼性の高い洞察を駆使し、複雑な状況を解明し、世界で最もグローバルなメディアサービスであるロイターの情報と組み合わせ、専門性の高い情報を提供しています。

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